「やらない後悔よりやって後悔」に対する不満と「新たな挑戦を始める際の決め手」について
やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい。
何かを始めるかどうか迷っている人に向けて言うアドバイス、もっと言うと名言っぽくもなっている言葉だ。
僕は、この言葉を信じない。
どこの誰が言い始めたのか知らないけど、「最初に考えたやつは、マジで無責任だな」と思う。
この言葉の1番ダメなところは、その無責任さだ。
相談者が「どのくらい失敗する確率があるのか」とか「本当に、どうしてもやりたいことなのか」を考えずに、ただ迷っている人の肩を押すだけだ。
「どう考えても無理だろ」っていうことを後押しするということは、その人を押して崖から突き落とすことに近い。
本当に親身になるなら、無責任に後押しするより、よく考えさせた方がいい。
また、この言葉は「自分自身への後押し」にも使われる。
「やらないで後悔するより、やって後悔する方がいいと思って始める」というわけだ。
それで本人が納得するならいいけど、「本当にそんなので続くのか?」というのは疑問だ。
大体、そんなことはほとんどのものに適用できるからだ。
例えば、「一時的な憧れ」とか「お金が儲かりそう」みたいな、何となくの理由でやってみたいと思う場合だ。
別にそういういわゆる不純な動機でも、成功するやつはいるだろう。
だから、「絶対にやめておけ」なんてことは言わない。
ただ、そんな理由で簡単に物事をやり始めても、長続きするかどうかは疑問だ。
別に、やめたところでまた次の道を探せばいい事も事実だ。
ただ、人生における時間の無駄だし、何よりまた、再起をかけるまでに気持ちを持って行くのも難しい。
1回失敗してはいすぐ次、とは人間は簡単にならない。
つまり、僕の中では「悩むくらいのやりたさなら、やめておいた方がいい」くらいの気持ちだ。
後悔の量みたいな、曖昧な基準を持ち出しちゃいけない。
決め手はそこじゃない。
「本当の本当に、めちゃくちゃ自分はそれをやりたいのか?」
「それをやって、仮に成功しなくても俺は耐えられるのか?」
「自分の考える成功までどれくらいの時間がかかる?成功率はどれくらい?」
というのを、ひたすら自分に問い続けて、それで「やると決めたらやる」のだ。
悩むくらいなら、ひとまずステイだ。
結論は、先延ばしにした方がいい。
「やらない後悔」と「やる後悔」の比較ではなく、単純に「やるかやらないか」で決めた方がいい。
僕は何か重大な物事を決めるときは、そうしている。