ダウンタウンDXを見て思った「地下芸人とは何なのか」について
先週の話だが、ダウンタウンDXの地下芸人特集を見た。
面白かったが、あれで本当に地下とは何なのかが伝わっているのかな?と思った。
あそこに出ていたのは、地上に上がった元地下の芸人だ。
あれを見て、地下芸人は地上では出来ない尖った笑いをやってる芸人だと思ってもらっては困る。
それは本当に地下の上澄みのやつらだけだ。
大抵の地下芸人は、本当に意味が分からないか、地上の劣化版の笑いをやっている。
つまり、地下にいるべくしている芸人だ
インディーズのお笑いライブというのは、本当の意味でピンキリだ。
そして、9割がキリの方のつまらない芸人だ。
だって、芸人なんていうものは、始めるのもやめるのも自由だから。
免許がないんだから、誰が名乗っても許される。
僕や、今これを読んでいるあなたでも、今すぐ参加費さえ払えばエントリーできるお笑いライブというのが、存在する。
ほとんどが事務所ライブみたいな事前のネタ見せがないのだから、何をしようと自由だ。
だから、とんでもなくつまらない芸人も出てくる。
学芸会レベルならマシで、何を笑えばいいのかわからないのもある。
人がつまらないと感じるのは、大まかに2種類の原因があると思う。
「センスがない」と「意味が分からない」だ。
最初から面白いと言われるエリートの芸人は、最初から「センスがあって」「客に意味を通じる」ことが出来る人たちだ。
センスがない芸というのは、つまり親父ギャグみたいなものだ。
使い古された、本当に誰でも思いつくようなやつだ。
何を言いたいのかはわかるけど、そんなもので今どき誰が笑うのだという、時代遅れのものだ。
ただ、本当に笑いのセンスがない人が頑張ってセンスを身に着けるのは、かなり難しいと思う。
なぜなら、本人はそれが面白い事だと思ってやっているのだから。
自分のセンスを疑うという事がない限り、改善しようという気にならないだろう。
だが、芸人になりたいと思うやつは簡単にはそれを認めないだろう。
また、センスを身に付ける方法も不明確だ。
お笑いを見まくればいいわけでもなく、明確な勉強法もない。
ただ、それでも面白くなりたいなら、するしかない。
それに比べたら、意味が分からないというのは、まだマシと言えるかもしれない。
そこには、センスはあるけどそれが正しく伝えられていないだけという可能性がある。
長く地下にいて燻ぶってた連中も、大半はこのパターンだろう。
面白さの種を持っている人でも、それを使ってちゃんとしたネタを作れるようになるには、大体時間がかかる。
1番地獄なのは、「センスも無ければ意味も分からないことやっている」人たちだ。
NSCに入る人間の大抵は、そういう人たちだろう。
まあ、正確に自分のウケない理由を分析できる人間なんて、そうはいない。
売れない芸人にわざわざ親身になってちゃんとしたアドバイスをしてくれる人なんてのは、まあいない。
何が言いたいのかというと、地下というのはそんなに尖ったお笑いが見れるいいものがそろっているというわけではない、という事だ。